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バレエ鑑賞記: オネギン

Royal Opera House London, Royal Crest and Red Curtains

ロンドン、先週は暖かかったのに、今週イキナリ冬の気配。お寒うございます。

きのう、ロイヤル・オペラ・ハウスにバレエ観に行ってきました。演目はロイヤル・バレエの「オネギン」。ロシアを舞台に繰り広げられる、ドラマチックな恋愛物語。大げさなドラマがサクサク小気味良く展開していくのと、主人公のパ・ドゥ・ドゥーでは優美かつ曲芸的に難しそうなリフトがばんばん入っているのでかなり好きなバレエの一つ。見るからに、「ひいぃぃぃーー。一つ間違えば大怪我しそう」なワザがてんこもり。

どういう物語かと言うと、ロシアの田舎に住む貴族の家に、サンクトペテルスブルグ(当時のロシア首都)から伊達で粋な遊び人、オネギンが、親友のレンスキーに招かれて遊びに来る。この家にはオルガとタチアナという二人の娘がいて、レンスキーは姉オルガの婚約者。妹のタチアナの方は、本の虫でいつも本ばっかり読んでいて色気無し。そして田舎育ちの純情少女なので、教養はあるけど男性に対する免疫ゼロ。そんなところに都会から、洗練された男の色香たっぷりの洒落者、オネギンがやってくるわけですよ。で、タチアナいちころ。

けれども遊び慣れたオネギンは、そんな田舎の純情少女なんて退屈で仕方がない。それで、タチアナが乙女の純情を綴ったラブレターを、彼女の目の前で破り捨ててしまう(タチアナ、そのラブレターを夜寝る前に書いて朝読み返さないで侍女に届けさせていたから、相当濃ゆい内容のものだったと思われます)。タチアナ、いきなり大失恋で大泣き。

乙女の心を思い切り打ち砕いたあとのオネギン、彼が次に何したかというと、「こんな田舎で、純情少女はダサくて遊び相手になんねーからつまんねーし。退屈だからいっちょオルガでもひっかけてみるか。」とばかりに、自分の親友の婚約者にちょっかいを出す。人のモノが良く見えるんですね、オネギン? ところがオルガもまんざらではなさそう。楽しそうにオネギンとダンスを踊ったりする。まぁ、オルガは「こんなの遊び。ちょっと楽しんでみてるだけ。ダンスぐらいいいじゃない?」って割り切れるタイプの女の人なのですね。婚約者のレンスキーがヘソ曲げてるのを、「何怒ってんのよー?」みたいになだめる。

ところがオネギン、そのへんでやめときゃ良いのにしつこくオルガにちょっかい出し続けるものだから、レンスキーついにキレてオネギンに決闘を申し込む。そして決闘に負けて死んでしまう。…レンスキー、真面目な人だったのね。婚約破棄くらいにしときゃー良かったのに…なんてね。それではドラマにならないか…。っていうか、オネギンみたいな人が親友って、あんた人を見る目、無いんとちゃう?…とか、色々と心の中でつい突っ込みを入れつつ物語りは進みます。レンスキーが死に、「俺は何てことをしてしまったんだー」と、オネギンが懊悩しつつ場面を去っていくところで二幕目が終了。

そして最終幕の三幕では、何年もの月日が流れ、場面ががらりと変わります。タチアナは高級将校、プリンス・グレミンに見初められて結婚。豪奢なお屋敷で、プリンスの情熱的ではないけどほのぼのと暖かい愛に包まれ幸せな生活を送っている。オネギンはその間、各地を「理想の女性」を求めて何年もさすらっていた模様。でも見つからず、落胆して都会に戻って来る。昔なじみの将校、プリンス・グレミンに招かれて、屋敷で催された舞踏会にやって来た時には、(カツラが変わって)頭に白いものが混じっている(演出、細かい)。

onegin-header.jpg


その舞踏会で、昔自分がこっぴどくふったタチアナが、美しく成熟した大人の女として目の前に現れる。その時オネギンは、「彼女だ、自分が求める理想の女は彼女だったんだあぁぁーーっ」と初めて気付く。で、今度は自分がラブレターをしたため、強硬に彼女に迫る。時にプリンス・グレミンは、公務で出張中。屋敷に居ない。初恋の相手に「大好きだ、愛しているんだぁぁーー」と迫られ、気持がぐらぐら揺れるタチアナ。この場面のパ・ドゥ・ドゥー、オネギン実にしつこい。そして濃ゆい。でもタチアナは最後には、オネギンのラブレターを彼の前で破り、「もう二度と私の前に姿を現さないで!」と強い態度でオネギンを追い出す。

…というところで幕が下りる。最後の激烈な感情に満ちたパ・ドゥ・ドゥーと、オネギンを追い出した後の
タチアナの表情が、様々な感情がこもっていて見ものです。

オネギン、ご愁傷様でございます。物語では、「オネギンは、本当に愛するのはタチアナだったと気付いた」ことになっているけど、実はアンタ、タチアナが人妻になってたから急に欲しくなっちゃっただけでしょ?放っぽりだしてあった自分のおもちゃを人に取られた子供みたいに。未熟者やなー。「俺が本当に愛する女はタチアナだったー」というのは、単に恋に恋する自分に酔いたいだけで、「昔俺に惚れてた女だから、気のある素振りを見せればきっと落ちるに違いない」くらいの気持なんっしょー、本当は。そんでどこかで、「人の女の気持を自分に向けさせたら、自分の男が上がる。」とか思ってないか? こういう形でしか女の人と関われないオネギンの行動って、実は自分のことを全然受け入れていない、自分に対する愛の少ない人の行動に見えます。

タチアナ、落ちなくて正解。そこで落ちてたら、オネギン、すぐまた飽きてふってたことでしょうよ、と思う。人のモノが欲しかったりとか、理想を求めて女をころころ変えたりとか、オネギン、病んでますなぁ。そういう人の心の難儀に関わらない健康さと強さがあって、よかったね、タチアナ。オネギン、あんたそれ、一生やってなさい。またはホメオパスにかかって、まずは結核マヤズム治療することをおススメしちゃうわ。

…なんか、バレエ鑑賞記じゃなくて、オネギン精神分析になっちゃったわ。

今回のこのバレエは、私の属する「チェルシー・バレエ」のメンバーと一緒に観に行ったのですが、みんな口をそろえてオネギンのことを「あんな男の、どこがいいわけェ?」と言っていたのが可笑しかった。みなさん、健全な精神の持ち主です。

コメント
バレエ、いいですね
主役の2人を踊ったのは誰ですか~?

>人妻になってたから急に欲しくなっちゃった
そんな感じ。しかも地位の高い貴婦人に大化けしていたから。

わたしの主観では、オネーギンはバレエのが一番ダメなやつかも。
オペラはちょっといい奴にしすぎ。
でも彼、物語の最後でもまだ二十代なのよ。大目に見てあげて~。
2010/10/15(金) 22:47 | URL | ろき #-[ 編集]
No title
Loki さん
主役は、オネーギンがデービッド・マハテリ、タチアナがマーラ・ガレアッチでした。マハテリ、顔が丸顔で、最初はちょっとオネギンとしての説得力に欠けたけど、だんだんそれらしくなってきました。ガレアッチは、伊達にトシ取ってません。純情そうなちょっとダサい感じの文学少女ぶりがよく出てました。

オネーギン、何と20代だったのー? 私が見たバージョンでは最後の幕は白髪が混ざってたから、一体何年放浪してたねん、って思っちゃいましたよ。てっきり40代に入ってるかと思いました。
2010/10/16(土) 14:34 | URL | Dana #-[ 編集]
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こんにちは。このサイトを訪問してくださって、どうもありがとうございます。熱烈歓迎!

私はロンドンでホメオパシーのコンサルテーションと、ヒーリング、スピリチュアル、ホメオパシー系の通訳・翻訳を専門に行っています。

このブログでは、ホメオパシーやヒーリングについて、その他、自分の興味のあることなど、日々のつれづれを気の向くままに綴っています。

ホメオパシーは、人に本来自然に備わる自然治癒力を穏やかに刺激して健康に導く、心と体に優しいセラピーです。体の症状にも良く効きますが、なんだか人生が生きづらい、自分に自信が持てない、と言った心の問題にもよく作用します。

本当のヒーリングって、心の底から自分自身を認めてあげること、どこに居て何をしてても自分で居ることが心地良いと感じることなんじゃないかな?と思います。

ホメオパシーを通して、自分自身と心地よい関係を築いてみませんか?

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noriko.stardust@googlemail.com

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